餡のいろ

日々の調べたこと色々メモ。

石膏デッサン教室

先日の連休は青梅市立美術館主催の石膏デッサン教室に行き芸術の秋を楽しんできた。

無料の二日間の実技講座で石膏像のデッサンをするというもので、ちゃんと美大の先生に教えていただけるというが魅力だった。

講師は武蔵野美術大学の峰見先生。お話は一般向けにしていると思うけど、大変面白く聞くことができた。「明暗法における稜の表現」とか「最近のカリキュラムにデッサンが含まれていない」とか言葉の端々がカルチャースクールで稼いでいる人ではなくて現役の大学の先生なのだなぁと思えた。
大学の先生にも色々いるけど私は峰見先生のお話や話し方がとても好きになった。知識の合間に先生なりの思いや考えが語られて、そういうのを知るのはとても楽しい。

実技はというと...
全くの素人でも大丈夫と聞いてから申込んだのだけど行って見ると「普段から絵をたしなんでます」風な方がほとんど。キョロキョロして周りの真似をしながらオドオドとスタートした。
でも描きはじめると夢中になった。石膏像と絵とを常に見比べて確かめながら書いていくのは無心になれる。

製作中は先生が周ってアドバイスをしてくれた。印象に残った言葉たち。

「本当にこれでいいのか、と疑いながら、」
「測ってでもいいから正確に、厳密に」
「『目に見えたように描きなさい』と私じゃないですよ、レオナルド・ダ・ヴィンチが言ってるんです。^^」
「『本当に線があるのか』とダ・ヴィンチは言ってます。」
「面で切り取って考える」
「彫刻をやると立体を意識するようになる」

最後は全員分を並べて先生が1点1点に講評をしてくれた。
私はのはプロポーションのバランス感覚はあるが立体の意識が足りない。まだまだ立体感がでていないと。確かに平面的なイラストみたいだ。もっと真っ黒くなるまで試行錯誤して立体感がでてくるものだということ。20人の作品の中で私のは一番か二番に薄い。
熟練の方への講評はもはやそんなのではなく「あとは気力を充実させて描く事です。上手いものを食って、よく寝て、のぞんで描くことです」というものだったのが印象的だった。

デッサンはかなり集中力がいるし、疲れたけど行ってみてよかった。
今回参加して思ったのだが、こういうものは一人でやっていても結局自己満足に過ぎなくて、指導や評価をしてもらってこそ上達できるのではないだろうか。
趣味は自己満足なものだけどより高みにいけて評価されたほうが自分自身が満たされるだろうし。

今回の講座で無心になれて楽しかったし、先生にアドバイスいただいたこともあるので、なんとかして立体に見えるデッサンを描きたいな。
ぜひ機会を見つけて続けたいと思った。

2011/10/12 20:44