餡のいろ

日々の調べたこと色々メモ。

東京国立博物館

昨日『対決!巨匠たちの日本美術』展を見てきた。本当は早いうち会社帰りに見に行きたかったけど夏バテ気味でつい週末はビールの誘惑に負け、結局夏休みに入ってしまった。目当ては伊藤若冲。数年前がくさんの伊藤若冲展の日記を見てどうしても生を見たかったので混んでいるのを覚悟で見に行ってきた。
展示は必ず日本史で出てくる巨匠ばかり本当に日本美術いいとこどり。そんな作品を解説付きで並べて見られるのはなかなかなくおもしろい展示だった。
印象的だったのは俵屋宗達「蔦の細道図屏風」。ものすごいデザイン性が高くて驚いた。「槇檜図屏風」も渋くていい。野々村仁清の陶芸品もデザイン性が高かったと思う。
あと、長谷川等伯「萩芒図屏風」。狩野永徳とVSさせられていたけど、濃くて強い感じの永徳に比べてなんとも涼しげでさらっとしていてすごくよかった。お目当ての伊藤若冲はよかったけど、ちょっと少なすぎてつかめなかった。
しっかし華道でよくいわれるけど、アンバランスのバランス、余白の美、がやっぱり日本の美しさなんだな、としみじみ思った。

時間があったので本館でやっていた特集陳列『六波羅密寺の仏像』を見てきた。こちらは閑散としている。教科書によく出てくる平清盛像にも会ってきた。ここで展示物となった仏像に手を合わせるおじいちゃんがいた。
ときどき思うけど、考えてみれば信仰の対象として大切にされてきたものなのに、美しいとか、どうなっているんだろうとか美術工芸品と同じように見てしまう私ってものすごく罰あたりなのかもしれない。真摯な気持ちも持ちつつ鑑賞しないといけないなぁと思った。
あと本館の国宝室で『平治物語絵巻』を見てきた。前に見たことがあるけど久し振り。前は絵巻物の筋書きを大体理解していたので見ていて本当に面白かった。昨日久しぶりに見たら意外にストーリーを忘れていて自分にがっかりした。鑑賞する面白さも半減だよ。

そういえば、ここ東博にはそれこそ教科書に出てくるような有名な作品が普通にたくさんあって本当にずっと見ていて飽きないんだった。考古学から離れて忘れてた。全然人が入っていないけど常設展が実はかなりいいのだ。絵巻物も鳥獣戯画、北野天神縁起絵巻、餓鬼草紙とか有名どころがズラリ。本館、表慶館のひんやりした空気も好き。
こんどは欲張らずにじっくり常設展をみにこようかな。

2008/8/11 15:01